本と犬

洋書とオーディオブックについて語るブログ。最近は怪奇小説が多め。

願い事をかなえる木 Wishtree

Wishtree

作品データ

著者:Katharine Applegate
日本語版:『願いごとの樹』
ジャンル:児童書

Audible:

www.audible.com


出版社の著者紹介サイト:

katherineapplegate.com


作品特設サイト:

www.wishtreebook.com

概要

 Wishtree(願い事を叶える木:お願い事を書いた布やリボンを枝に巻きつけて、願掛けをする)として愛され、何世代にもわたって、町を静かに見守ってきたレッド。ある少女が引っ越してきたのをきっかけに、平穏な日々に変化が起こり、レッドの木としての人生もゆるがす事態へと発展していく。

感想

 木(レッドという名前の、オークの古木)が語り手で主人公の物語。親友であるカラスのボンゴや、レッドを住処にしているオポッサム、スカンク、フクロウ、アライグマといった動物たちが登場する、動物好きにはたまらない一冊です。
 レッドは古木ということもあり、語り口は淡々としているのですが、その言葉はやさしさに満ちていて、しみじみ、じんわり心にしみてきます。
 文章もとてもよかったのですが、挿絵がまた素敵でした。オポッサムとかカラスとか、ちょっと強面(?)の動物も、愛嬌たっぷりに描かれているので、思わずほほが緩みます。最後のほうで動物勢ぞろいの場面が出てくるのですが(動画で見れます)、そのイラストが本当に素敵なんです。 挿絵を描いたのは、イラストレーターのCharles Santosoさん。この作品以外にも、児童書の挿絵を担当されているので、別の作品ぜひ読んでみたいと思います。

  木は動けないので、流れに自身の運命をゆだねるしかない(レッドいわく、passiveな)存在ですが、目には見えない形で、生き物や人間に働きかけ、さまざまな影響を与えている。1本の木が、町のシンボルになったり、忘れられない思い出になったりする。自然ってそういうものなんでしょうね。読み終わって、そんなことを考えました。

 こちらが翻訳書。

『願いごとの樹』
キャサリン・アップルゲイト:著 尾高 薫:訳

  翻訳書のタイトル、「木」じゃなくて「樹」としたほうがしっくりくるので、なぜだろうと調べてみました。どうやら「樹」という字は、「生きている木」にしか使わないようです。レッドは物語のなかで、しっかり生きている木ですからね。

 

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 (こんなに大きいと、願い事をたくさん叶えてくれそう?)