本と犬

洋書とオーディオブックについて語るブログ。最近は怪奇小説が多め。

一匹の犬が絆をつなぐ感動の物語 Say Goodbye For Now

Say Goodbye For Now

 

作品データ

著者:Catherine Ryan Hyde
日本語版:未訳
ジャンル:フィクション
舞台:アメリカ テキサス州
主要登場人物:女性医師、少年、ハーフウルフ

Audible:

www.audible.com


著者のサイト:

www.catherineryanhyde.com

概要

 テキサス州の小さな町のはずれで、動物を保護し、世話をすることを生きがいに、ひっそりと暮らす女医ルーシー。傷ついた一匹の犬(プリンス)と出会った少年ピート。ルーシー、ピート、プリンス、三者の不思議な縁が、厳しい現実のなかで織りなされていく。

感想

 プリンスはハーフ・ウルフ(犬とオオカミのハイブリッド)で、ピートが名づけ親。ピートがプリンスと出会ったことで、運命の輪が回りはじめます。プリンスは半分犬とはいえほぼ野生なので、飼いならすことはできず、傷が癒えたら野に帰っていきます。でも、それでピートとプリンスの関係が終わったわけではなく、ピートとプリンスの絆は、ずっと続いてく……というところは、犬好き読者がぐっとくるポイント。

 物語の背景となる時代設定が1960年代頃で、人種差別や親子の関係など、決して明るくはないテーマがからんできます。タイトル通り、ルーシーやピートはいくつかの〝しばしの別れ(goodbye for now)〟を経験するのですが、ふたりが互いにはげまし、支え合い、希望をもって力強く生きていく姿にはすがすがしさを感じました。

  著者のキャサリン・ライアン・ハイドは、映画『ペイ・フォワード』の原作(Pay It Forward)をはじめとする、数十冊のベストセラーを世に送り出している作家。どの作品もレビューでひじょうに高い評価を獲得しています。ストーリー運びが安定しているところも、読みやすさにつながっているでしょうか。これぞ王道のFeel-good storyで、読後感はとてもよかったです。

 

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(オオカミ。アメリカで、1/4ほどオオカミの血が入った犬と接したことがありますが、思いのほかおとなしくて、とてもかわいい子でした。)