本と犬

洋書とオーディオブックについて語るブログ。最近は怪奇小説が多め。

犬と暮らせる喜びよ Dog Songs

Dog Songs

 

作品データ

著者: Mary Oliver
日本語版:なし
ジャンル:詩

Audible:

www.audible.com


Poetry FoundationのMary Oliver紹介ページ

www.poetryfoundation.org

概要

 ピューリッツァー賞も受賞した詩人による、「犬」がテーマの詩集。

 感想

 著者のメアリーさんが、いかに犬を愛しているかが伝わってきて、しみじみと共感しながら読みました(メアリーさんは、犬の存在そのものが「詩」だと言ってます)。なかでも、わたしが好きな詩の一節がこちら。

...all of the sights I love in this world―and there are plentyーvery near the top of the list is this one: dogs without leashes. 

("If You Are Holding This Book")

 (この世界には、愛すべき光景があふれている。そのなかからひとつだけ選ぶとしたら、わたしはこう答えるだろう。それは、リードから解放された犬の姿だと。)

「リードをつけずに走り回る犬の姿」って、たしかに見ているこちらも幸せになる光景ですね。もう、犬のテンションが違うんです!

 この詩集の詩は、どれも平易な言葉で綴られていて、難解さはまったくありません。メアリーさんは、詩人ならではの観察眼と想像力で、犬のなにげないしぐさ、生活の一場面を切りとり、躍動感とユーモア、命の輝きにあふれる詩へと昇華しています。本のなかで、美しい言葉、心に残る言葉に、いくつも出会うことができました。

Dog is docile, and then forgets. Dog promises then forgets.

("Dog Talk")

 (犬は従順だけれど、すぐ忘れる。犬は約束するけれど、それもすぐ忘れてしまう。)

「わかった!」「もうしません!」とか言って、すぐ忘れるのはうちの子の得意技です。

We would do anything to keep them with us, and to keep them young. The one gift we cannot give.

("Dog Talk")

 (犬とずっと一緒にいるためなら、この子たちを若い姿のままとどめておけるなら、なんだってするだろう。でもそれは、決して与えることのできない贈り物なのだ。) 

 犬好きだけでなく、動物や自然を愛する人におすすめしたい詩集です。

*残念ながら、2019年1月、詩人Mary Oliverさんはお亡くなりになりました。83歳だったそうです。ご冥福をお祈りいたします。

 ご本人が朗読されている映像を見つけました。

 

 

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(ビーグル。詩集の表紙の犬にちょっと似てる。)