本と犬

洋書とオーディオブックについて語るブログ。最近は怪奇小説が多め。

ゴシックロマンスなミステリー Daughters of the Lake

Daughters of the Lake

作品データ

著者:Wendy Webb
日本語版:なし
ジャンル:ミステリー、サスペンス、オカルト
舞台:スペリオル湖

Audible:

www.audible.com


著者のサイト:

www.wendykwebb.com

概要

  ケイトは、夫の浮気が原因で離婚を決意し、実家に身を寄せていた。傷ついた心を癒し、前に進むために、仕事も辞め、しばらくのんびりするつもりだった。だが、ケイトは不思議な夢に心をゆさぶられるようになる。夢の中では、ケイトはアディという名の女性で、その体を通して体験するアディの感情や人生は、夢とは思えないほど生々しいものだった。
 そんなある日、実家の前の湖で女性の遺体が発見される。様子を見に行ったケイトは、思わず目を疑った。なんとそれは、あの夢の女性、アディそのものだったのだ。ケイトが調べていくうちに、アディとケイトは過去でつながっていることがわかる。実業家であったケイトの曾祖父の邸宅で、アディの写真が見つかったのだ。アディの遺体は、100年という時を経て、湖岸に打ち寄せられたことになる。そんなことが、現実にあり得るだろうか? 
 ケイトの夢の世界では、アディが最期の日を迎えようとしていた。なぜ、アディは命を落としたのか? 夢を通して過去へとタイムスリップするケイトが解き明かしたのは、遠い昔に隠された、驚くべき秘密と悲劇だった……。

 

感想

 夢の世界、過去の亡霊など、ゴシックロマンスなテイストが漂うフィクション。タイトルの「湖の娘(daughter of the lake)」は、かつて湖の精に愛され、妻となった人間の女性から生まれた娘のことで、この神話のような話もストーリーに深く関係しています。アディの時代が18世紀初頭で、歴史小説の雰囲気も味わえますし、謎解きもあるので、ミステリーとしても読めます。ということで、いろんな読み方、楽しみ方ができる作品ですね。

 Amazon.comではかなりの数のレビューがついていて、星平均4.5という高評価。全体的によくまとまっていて、とても読みやすく、大きな欠点が見当たらない。評価の高さはうなずけます。表紙のインパクトのせいか、もっとおどろおどろしい、ダークなストーリーを想像してしまったので、そこはちょっと物足りなかったかも。とはいえ、湖畔に建つ古い大邸宅というクラシカルな舞台設定に、マジックリアリズムの要素が組み合わさるというプロットはかなり好みでした。この作家さん、ほかにも同じ系統の作品を出しているので、読んでみたくなりました。

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(湖畔の大邸宅?)